
デザイナーの黒野真吾による初の作品集『(UN)TITLING』の刊行を記念して、ドイツ・ベルリンにて個展が開催されます。
本書はプロダクト、グラフィック、空間、写真、ウェブ、異なる領域を横断しながら、思想を掘り下げ、あるいは水平に広げてきた思考と手の軌跡を記述しています。
タイトルにある「(UN)TITLING」は、便宜的に名づけられ、分類され、整理された形式や言葉の輪郭を一度外してみるという姿勢を示しています。すべてが過剰に「見えすぎる」時代において、既定の枠組みでは捉えきれない揺らぎや余白、意味と意味のあいだに潜む沈黙に、もう一度目を凝らしてみるという試みです。
ここ数年の社会の変化を経て、「解像度は高いのに、わからない」という感覚が日常に溢れています。理解しているはずなのに、知覚されていない。言語化されたはずなのに、どこかで置き去りにされた感覚。だからこそ、ピントの合っていない写真のように、山間に立ちのぼる霧のように、曖昧さの中からそっと掬い上げるようなデザインを目指しています。
ベルリンでの個展では、書籍に掲載された写真・プロダクトの展示に加え、音楽家/アーティスト 若狭真司によるサウンドインスタレーションも展開。観察と記述、素材と身体、機能と感情─複数の軸が交差する場所に立ち上がる、思考の風景を体感できる場となることを目指しています。
日時:
2025年7月12日(土)─13日(日)
7月12日(土) 15:00─20:00(レセプション 17:00〜20:00)
7月13日(日) 11:00─18:00
会場:
Rainbow Unicorn Gallery
Anklamer Str. 50, 10115 Berlin, Germany
入場料:
無料
サウンドデザイン:
Shinji Wakasa
ワイン提供:
Raybun Funaki
黒野真吾作品集『(UN)TITLING』はこちら


