MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)
MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)

MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)

Place M
$30.00 USD

写真家、魏子涵(ギ シカン)の作品集。物語の舞台は、中国のある家族。魏子涵自身と飼い猫「三谷」の二つの視点から語られる物語が重なり合うように構成されています。日記、視覚的記憶、中国的な家族像、そして魏子涵の個人的な時間が、Holgaというトイカメラを通して一本の線でつながれ、虚構と現実が柔らかく交差する風景を映し出しています。本書は、挿入ページの構成、手作業で仕上げられた綴じや縁、猫の爪痕を模したサインなど、細部にまで魏子涵の手の痕が宿っています。限定300部、サイン、エディションナンバー入り。

私の両親は、1990年11月7日、婚姻届を提出。2019年、結婚写真を撮影。2020年に結婚30周年を迎えた。中国ではこれを「真珠婚」と呼ぶ。

現代の社会において、30年間共に歩むことは、多くの人々にとって羨望の的といえる。両親はある日、「私たちはまだ結婚写真を撮ったことがない。あなた、写真を学んでいるなら、撮ってくれない?」と言った。この言葉が、本作品制作のきっかけとなった。

本作品のインスピレーションは、コダック・ブラウニー時代の家族アルバムやスナップ写真の美学から得た。そのため、作品名を『MITANI / I did nothing other than to tell them to smile(三谷 / ただ笑って、と伝えただけ)』とした。家族写真の多くと同様に、被写体はカメラの前で笑顔を作り、私に向かって「チーズ」と言う。しかし、時折シャッターがうまく切れず、作られた笑顔が次第に硬直したり、瞬きをしたりする場面もある。それでも、その一瞬に込められた喜びの感情は常に本物だ。

家族の話をするとき、「三谷」というシャム猫が欠かせない存在だ。私が不在の間、三谷は家族3人の一員として、その空白を埋めてくれる。このことから、猫の視点で私の家を見るとどのように映るのかを想像した。そして、「キャットアイカメラ」と呼ばれる安価な玩具カメラ・Holgaを用い、自分の第三者視点と猫の第一者視点を切り替える試みを始めた。

さらに、これまでと同じように、短いながらも日記のようなテキストを書き留めた。それは、かつて家族アルバムに添えられた記録を思わせるものだ。

― 魏子涵

魏子涵
1994年中国生まれ。武蔵野美術大学大学院写真コースを修了後、現在は、東京藝術大学先端芸術表現科に博士在学中。 作品は、「五感(嗅覚・触覚など)」に基づく表現によって、イメージを解釈・拡張することを探究する。作品は現代人とそれを取り巻くものとの関係の現れメーセージの一部に過ぎない。単純な情報のアウトプットにとどまらず、写真と情報の関係を常に構築する。国内外のギャラリーで発表を続けている。
www.xibaow.com

ページ: 36
サイズ: 175 × 205 mm
フォーマット: ソフトカバー
言語: 日本語、中国語、英語
刊行年: 2025
出版: Place M