←
→
Daniel Shea: Distribution(サイン入り)
MACK
ニューヨーク市クイーンズ区、ロングアイランドシティを拠点とするアメリカ人写真家、ダニエル・シェア(Daniel Shea)の作品集。本書は、一見難しそうでありながら単純な一つの問いから始まりました。それは、「森を撮影するにはどうすればよいか?」というものでした。シェアは、森が示唆に富む課題をもたらしていることに気づきました。写真が断片に引き寄せられてしまうメディアであるのに対し、全体を捉えるという課題、つまり自然の中にいるという没入的な全体性に向き合うということでした。
シェアは、様々な土地を数年にわたって巡り、意図的に制約した方法で撮影を行いました。鬱蒼とした森林を望遠レンズで写し、移動する車の窓から都市を捉えました。「木を見て森を見ず」という古い諺を逆転させるかのように、生態系の複雑さ、社会的な絡み合い、そしてその両方に影響を及ぼす建築など、表象に抵抗するもの全景化しています。
こうして生まれた本書は、圧倒的な密度を持つ環境と、反復や蓄積、構図によって徐々に現れるパターンとの間の緊張を探ります。冒頭には「アメリカ合衆国に住む人の統計的中央値」を表す女性、ジェシカのポートレートが配置され、その後、表面、建物、樹木、さらには人々の集団へと視点が広がっていきます。本書は、密度と拡散がせめぎ合う世界において、私たちがいかに主題やそれに伴う問題を位置づけるのかを問いかけています。
作家であるキャサリン・レイシー(Catherine Lacey)が手がけたショートストーリーを収録。
ページ: 392
サイズ: 215 × 270 mm
フォーマット: ハードカバー
言語: 英語
刊行年: 2025
出版: MACK