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A Nocturnal History of Architecture
Spector Books
夜と空間設計の観点から建築史を読み解く作品集。
建築の理論、言説、実践は、何世紀にもわたり昼間や太陽を中心としたパラダイムに基づいてきました。ウィトルウィウスの『建築論』において夜への言及は断片的であり、アルベルティやパッラーディオといったルネサンス期の最も影響力のある建築書においても同様に稀です。私的空間と公共空間で電灯が発明され、制度化されたのは19〜20世紀になってからであり、それによって建築分野における「夜」のあり方は徐々に変容していきました。
本書は、建築史における「夜」の系譜に初めて年代順で取り組む試みであり、2000年以上にわたる複数の大陸と地理を横断する、夜と空間設計の絡み合いを辿る壮大な旅です。ギリシャ神殿の捉えがたい闇から、常時照明に満たされたアメリカの郊外、古典的な日本美学における月の存在から、20世紀イタリアのナイトクラブ建築に至るまで、これらの研究から浮かび上がるのは、時代を超えた人間の存在とその生活・仕事・文化空間が夜と切り離せないものであるという事実です。
本書は「夜の風景」を分析・考察することによって、夜が空間について新たな思考を発展させるための実験場であり、最終的には新しい生のあり方を模索する場であることを示すことを目指しています。
ページ: 308
サイズ: 210 x 210 mm
フォーマット: ソフトカバー
言語: 英語
刊行年: 2025
出版: Spector Books