Ghosts
本書では、幽霊が私たちの視覚文化に残してきた多様な痕跡をたどります。取り上げるのは、19世紀以降のヨーロッパとアメリカにおける幽霊表現および幽霊研究の歴史です。それ以来、アーティストたちはあらゆるメディアにおいて、死と生、恐怖とユーモア、可視と不可視の間に広がる幽霊の領域を探求してきました。
恐ろしい怪物としてであれ、ハロウィンの仮装としてであれ、幽霊は常に私たちの身のまわりに存在しています。独自の実体を持つものとして捉えられることもあれば、苦悩する精神の表れだとみなされることもあります。幽霊は、潜在的で不安を引き起こし、抑圧された力の存在を私たちに思い起こさせます。そのため、幽霊が古くからたびたび芸術の世界にも現れてきたのは当然のことだといえます。
特に近年の芸術では、幽霊はしばしば、私たちを取り巻く暴力的で抑圧されたあらゆるものが舞い戻ってくる存在として、メタファーとして描かれています。本書には、ウィリアム・ブレイク(William Blake)、ニコール・アイゼンマン(Nicole Eisenman)、カタリーナ・フリッチ(Katharina Fritsch)、ヨーハン・ハインリヒ・フュースリー(Johann Heinrich Füssli)、ライアン・ガンダー(Ryan Gander)、マイク・ケリー(Mike Kelley)、パウル・クレー(Paul Klee)、ルネ・マグリット(René Magritte)、メレット・オッペンハイム(Meret Oppenheim)、トニー・アースラー(Tony Oursler)、コーネリア・パーカー(Cornelia Parker)、トーマス・シュッテ(Thomas Schütte)、レイチェル・ホワイトリード(Rachel Witheread)ほか多くの作家の作品が収録されています。
ページ: 140
サイズ: 210 x 300 mm
フォーマット: ソフトカバー
刊行年: 2025
言語: 英語、ドイツ語
出版: Christoph Merian