Aaron Rothman: The Sierra
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Aaron Rothman: The Sierra

The Eriskay Connection
$57.00 USD

アメリカ人写真家、アーロン・ロスマン(Aaron Rothman)の作品集。本書は、現代の気候危機という文脈を通じてシエラネバダ山脈を再訪します。この山岳地帯は、長きにわたりアメリカの「荒野」観を形作ってきました。ロスマンは、大判フィルムとデジタル処理を組み合わせ、6年かけて約50点のカラー作品群を制作しました。この作品は、山岳地帯での身体的体験を呼び起こすと同時に、地域を変容させつつある環境の変化を記録し、風景表現の長い歴史との対話を試みています。

シエラネバダはロスマンにとって個人的な意味を持つ地であり、自然との生涯にわたる絆を育み、10代の頃に写真を始めるきっかけとなりました。しかし近年、森林火災や煙霧といった気候変動の兆候が顕著になるにつれ、彼の訪問は増大する恐怖と喪失感に彩られるようになりました。この変化する関係性がプロジェクトの核心的意図を形作ります。個人的な愛着と環境的不確実性が交錯する、変容する風景の中に立つ矛盾を捉えることです。

ロスマンはフィールドワークとデジタル編集を往復する反復的プロセスで制作します。野外では、遠くの山岳が示す計り知れない空間感、夕暮れ時の木立がもたらす保護的な閉ざされ感、あるいは焼けたばかりの森林の荒廃といった、意味ある自然との遭遇に応答して大判写真を撮影します。スタジオではそれらの最終形態を決定します。ある画像はそのまま残され、他の画像は色を反転させたり、単一の場所の複数の視点を重ね合わせたり、可視性の限界まで画像を洗い流すことで変容します。これらの介入は観る者を不安定にさせ、親しみと異質さを同時に感じさせるイメージを創出することを目的としています。

ヤコブ・ファン・ルイスダール(Jacob van Ruisdael)やテオドール・ルソー(Théodore Rousseau)からアルバート・ビアスタット(Albert Bierstadt)に至るヨーロッパの風景画の伝統が参照点となり、伝統的な表現が私たちの自然観をいかに形成してきたか、またそれを手つかずの理想像として描くことが現在の脆弱性にどう寄与したかを考察させます。

本書は最終的に、雄大でありながら脆い風景に挑みます。環境の現実と自然との関係を再考するよう促します。それは分離された手つかずの存在ではなく、人間の影響と絡み合いながら進化する空間として、そして美しくも不安を誘うイメージを通じて、その二面性と向き合うことを求めます。著名な美術評論家・作家、リア・オルマン(Leah Ollman)による解説文を収録しています。

ページ: 112
サイズ: 240 x 290 mm
フォーマット: ハードカバー
刊行年: 2025
言語: 英語
出版: The Eriskay Connection