Nico Krijno: Collages 2020-2022
Nico Krijno: Collages 2020-2022
Nico Krijno: Collages 2020-2022
Nico Krijno: Collages 2020-2022
Nico Krijno: Collages 2020-2022
Nico Krijno: Collages 2020-2022

Nico Krijno: Collages 2020-2022

Art Paper Editions
$57.00 USD

南アフリカ人アーティスト、ニコ・クリジノ(Nico Krijno)の作品集。クリジノの作品を紙面上に収めるには、「本」は一見特殊な方法に思えます。本はその形式上、終わりがあります。つまり始まりと終わりで区切られた物語に身を委ねる整った器です。一方、クリジノの制作には終わりがありません。解像度はなく、安易に指摘、括り、ラベル付けできるような一瞬がありません。小刻みな一定のリズムに揺られることもなく、常に刻々と蓄積していきます。どちらかといえば、これまでと同じように、作品は無邪気で子供のような遊びの放出に近いように感じられます。方向感覚を失うように幻想的で、時にはほとんどデタラメにも感じられますが、それでも人を魅了します。しかし、この流れこそが、クリジノの作品と本を対立させます。

それらの作品の最新作であり、最も充実した内容となっている本書を通し、本という形式が必要な試みであると感じられます。このように、束ねられながらも凝縮された形で見るとき、私たちは間違いなくクリジノをより理解することができるます。本書で私たちは、パフォーマンスとプロセスの重要性を理解し、クリジノの作品がいかに細かいパーツの集合体以上のものであるかを理解し、クリジノがいかに一方に身を流して新しい形やアイデアを紐解きながら、結局は馴染みある道でありつつも最初とは違う道筋に戻っていくかを理解することができるます。そして、作品が奔放な遊びと類似しているにもかかわらず、子供の無邪気な遊びにはないあらゆる可能性を追求する執念と熱意のような、より鋭利で、より意図的な表現であることを理解することができます。展覧会やオンラインで作品を見ると、一方は断片的で、もう一方は無限に続くため、作品の特徴や意図はより隠され、具体性が薄まります。そういった意味で、本書はは2つの側面においてその必要性を発揮していると言えます。ひとつは、クリジノをより理解するために。そしてもうひとつは、どうしようもなくはかないものを手離さないために。

ページ: 448
サイズ: 145 × 195 mm
フォーマット: ソフトカバー
刊行年: 2022
出版: Art Paper Editions