I See That I See What You Don’t See
I See That I See What You Don’t See
I See That I See What You Don’t See
I See That I See What You Don’t See
I See That I See What You Don’t See
I See That I See What You Don’t See

I See That I See What You Don’t See

Het Nieuwe Instituut
$34.00 USD

オランダの建築、デザイン、デジタル文化に関する機関「Het Nieuwe Instituut」の作品集。同機関で研究開発ディレクターを務めるスペイン人建築家のマリーナ・オテロ・ヴェルジエ(Marina Otero Verzier)と、同じくエージェンシー長を務めるキュレーターのフランシエン・ヴァン・ウェストレネン(Francien van Westrenen)による編集。2019年3月から9月まで開催された第22回ミラノ・トリエンナーレ国際展示会においてオランダ公式出品作品として、またロッテルダムの拠点で10月から12月まで開催された「I SEE THAT I SEE WHAT YOU DON’T SEE」に伴い刊行されました。

本作は、曖昧さを内包した多層的な暗闇の概念を提示します。宇宙的で自動化された、目では見ることができないように思われる様々な環境を巡り、通常は見られない、あるいは私たちが敢えて目を向けようとしないもの、および見ることの可能性と抑圧や開放のかたちとの関係性を探求します。表紙はルディー・ゲジ(Rudy Guedj)によるグラフィックデザイン。さらにここでは、「見る」こと、および通常は隠されたままになっているものを「明らかにする」という行為を実践するにあたって光を「英知」や「知識」の暗喩として使うことを意図的に避けています。むしろ、本書に収められている多様な作品が目指しているのは、光の利用や剥奪、あるいは過度の露出が様々な身体に及ぼす対照的な影響、人や人以外のものの行動に放射能が与える影響、目に見えなくともあらゆるところに浸透しているデジタルアーキテクチャーとの共存、宇宙とのシンクロニシティの事例についての見解、これらの領域におけるデザインの役割の理解だとも言えます。またこれらの事例は、どれも現代の風景-何もかもが密接につながり、管理されている環境、デザインという行為を執拗に繰り返した結果出来上がった世界、自然、環境、テクノロジー、文化の間の境界が加速度的に薄れ、光と闇のサイクルに合わせて変化する身体に影響を及ぼす世界-の断片的な肖像を描き出しています。

本書においてデザインは、問題に対する解決策というよりはむしろ、それが解決すると主張している問題の一部になっていることが多い行為として位置づけられています。デザインと生物学、法医学、宇宙論、アクティビズムとのクロスオーバーを確立し、デザインされた製品の伝統的な概念を超越することによって、本書はデザインの訓練と実践における市場の支配や支配的な権力に挑戦しようとします。またこれは、Het Nieuwe Instituutがこれまで何度も追求してきたテーマでもあります。収録されている文章は、その1つ1つが永続的に行われる動作の状態に影響されがちな私たちの知覚をより研ぎ澄ますことを目標とし、既存の範囲を逸脱する場としての空間を開くための批判的な実践を提示しています。

本作が出展された第22回ミラノ・トリエンナーレ国際展示会は「Broken Nature: Design Takes on Human Survival」(人類の生き残りをかけたデザイン)というテーマのもとに、自然や社会の生態学的システムを含む人間と環境との関係回復においてデザインが果たし得る役割の可能性が探求されました。MoMAの建築デザイン部門シニアキュレーター兼研究開発ディレクターのパオラ・アントネッリのキュレーションにより、2019年3月1日から9月1日まで開催されました。

ページ: 416
サイズ: 140 × 200 mm
フォーマット: ソフトカバー
刊行年: 2021
言語: 英語
出版: Het Nieuwe Instituut