Philippe Fragnière: Passage
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Philippe Fragnière: Passage

Kodoji Press
$53.00 USD

ロンドンとスイスを拠点に活動するスイス人写真家、フィリップ・フラニエール(Philippe Fragnière)の作品集。スイス南西部、その大部分がアルプス山脈に占められるヴァレー地方に位置する小さな村、ヴェゾナ。本書は、フラニエールがその周辺の自然や風景に対し、10年にわたる取り組みの成果として生まれました。フラニエールは、祖先が歩んだ同じ道を辿り、祖先が感じ取ったことを体感しようと試みました。伝説や伝聞から、モチーフと物語の案を借用し、「オブジェ」を選び出し、時にはそれをスタジオへと移し、仮のトーテム(象徴)としています。ヴァナキュラー建築と両生類は、土地、植物、動物とともに登場し、形式的にシンボルとして昇華されています。隣り合って並べられた写真は、フラニエールが悲しみを乗り越えて戻ってきた地形を、現象学的な経験として写し出したものです。フラニエールは、季節の移ろい、そして限りなくゆっくりとした時間の中に、慰めや安らぎを見出しました。一連のイメージは、固体でも液体でもなく、まるで硝子のように、事実と虚構の狭間で宙吊りになって存在しています。規模は関係なく、すべてが拡大され、等しいものとなります。フラニエールは問いかけます。誰も記録をしていないものは、事実として、あるいは虚構として存在するのでしょうか?

「耳を澄ませば、窓ガラスが溶けて、遥か彼方の小川に流れ込む。私たちは泉の中に存在している。」本書に収録されているイメージには、スイス人作家のヴァルミール・レクシェピ(Valmir Rexhepi)による短編が添えられています。両ページを上から下へと流れるテキストをそれぞれ読むと、対話が短い詩のようになります。物語の登場人物は地形的に描写され、あまりにも身近でありながら捉えどころのない環境との出会いを通して、自己が生み出されていきます。イメージとテキストが一体となって、大地を語らせるという願望を指し示します。

ページ: 136
サイズ: 208 x 340 mm
フォーマット: ソフトカバー
言語: 英語
刊行年: 2022
出版: Kodoji Press