Donald Judd: 1957-1963, Paintings and Objects
ドナルド・ジャッド(Donald Judd)の絵画および初期作品をこれまでで最も包括的に検証する作品集。二次元から三次元へと移行した決定的な7年間に前例のない洞察を与えるものです。
ドナルド・ジャッドの急進的な作品と思考は、20世紀後半の視覚文化の様相を形づくるうえで大きな役割を果たし、今日に至るまで世界中のアーティスト、建築家、デザイナーに影響を与え続けています。彼は、美術作品のみならず、実用的なデザインがどのように制作され、展示され、体験され、使用されるのかという在り方そのものに、変革的な影響を及ぼしました。
ジャッドは、「スタック」や「プログレッション」シリーズに代表される三次元の彫刻作品で広く知られていますが、そのキャリアは画家として始まりました。1957年から1963年にかけて、彼は約80点のキャンバス作品を制作しています。そこでは、線、色彩、非具象的構成に対する独自の探究が展開されており、後に生み出される象徴的な三次元作品へと直接的につながっていきます。
本書は、ジャッドの絵画と初期作品を網羅的に紹介する、現時点で最も充実した研究書です。二次元から三次元への移行という重要な時期を丹念にたどりながら、彼の制作の変遷を明らかにしています。全作品の新規撮り下ろし写真に加え、壁面に基づく初期の彫刻的実験も収録されており、さらに3名の主要な美術史家による詳細な論考が掲載されています。
近現代美術史家のアイリーン・コステロ(Eileen Costello)は、ジャッドが最終的にキャンバスを離れ、彫刻形式へと移行していった過程を論じています。ペンシルベニア州立大学の美術史准教授であり、同大学のバーチャル/マテリアル・スタディーズ・センターのディレクターを務めるサラ・K・リッチ(Sarah K. Rich)は、ジャッドの絵画技法とキャンバス作品を分析・解体します。また、歴史家・キュレーターであり、カーネギー美術館元館長であるリン・ゼレヴァンスキー(Lynn Zelevansky)は、この時代の全体像と、ジャッドが絵画および初期作品を形成していく中で関わった同時代の作家たちについて概観しています。
ドナルド・ジャッドは1928年、ミズーリ州エクセルシオール・スプリングスに生まれ、1994年にニューヨークで亡くなりました。その作品は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー、サンフランシスコ近代美術館、テート、東京都現代美術館など、数多くの重要なコレクションに収蔵されています。ニューヨーク近代美術館では、2020〜21年にかけて大規模な回顧展が開催されました。1986年には、テキサス州マーファにて、大規模作品の恒久展示を目的としたチナティ財団を設立し、1977年にはニューヨークとマーファを拠点とするジャッド財団を創設しています。
ページ: 288
サイズ: 210 x 272 mm
フォーマット: ハードカバー
刊行年: 2025
言語: 英語
出版: Gagosian / Rizzoli