Claude Money by A-FL

スウェーデン人アーティスト、A–FLの作品。

芸術作品とその価値は、本質的に結びついています。錬金術師のように、成功した芸術家は、絵具やキャンバス、粘土、あるいは日常的な家庭用品といったありふれた素材を「黄金」へと変換する力を持っています。この考え方はしばしばロマン化されますが、実際に当てはまるのはごく一部の作家に限られます。それでもなお、西洋美術において特定の作家や運動を正典化してきた伝統は、市場価値の持続的、そしてしばしば劇的な上昇をもたらしてきました。今日では、作品の質そのものが金銭的価値によって規定される傾向がますます強まっています。これは決して新しい現象ではありませんが、現代資本主義の論理のもとで、その度合いは誇張された水準にまで達しています。

本書『クロード・マネー（Claude Money）』において、A–FLはクロード・モネ（Claude Monet）の絵画に関する30年分のオークションデータを編纂しています。印象派の画家の姓と、その重要性を測るために用いられる通貨との音声的な類似性が、本作のコンセプトの出発点となっています。その結果は、簡潔な統計記録としてまとめられ、ソフトカバーの書籍という形をとっています。表紙にはアメリカの1ドル紙幣のデザインが用いられており、手作業による箔押し加工によってタイトルが浮かび上がるよう改変されています。この視覚的な身振りは、本作が投げかける中心的な問いを強調するものです。

A–FL（1985年生まれ）
スウェーデン・ヨーテボリを拠点に活動するアーティスト。そのコンセプトの出発点となるのは、多くの場合、発見されたオブジェクトです。それが物質的なものであれ非物質的なものであれ、路上で拾い集めた都市の残骸から、蚤の市で見つけた珍品に至るまで、それらは素材であり、視覚的手がかりであり、あるいは思考を促す触媒となります。こうしたオブジェは、言葉やフレーズ、アイデアといった非物質的な形をとることもあり、流用されたり、応答を誘ったりする存在として機能します。

書籍というメディアを通して、アイデンティティ、言語、文化に関する問いを探究するなかで、A–FLは「LL’Editions」から多数のエディションを刊行してきました。2021年には、ストックホルムの「Hundörat Small Press」より『Första Januari』を刊行しています。このアーティストブックは、スウェーデンの伝説的なアーティストでありフルクサスの先駆者であるベント・アフ・クリントベリ（Bengt af Klintberg）によって校正されました。近年の作品には、ハイモ・ツォベルニク（Heimo Zobernig）およびシモン・イウリーノ（Simon Iurino）との共同制作によるマルティプル作品『For Your Tears』、2023年に発表された『Imposter Syndrome』、100本の針と1錠のアスピリンを薬瓶に収めたマルティプル作品『Mixed Blessing』、そして2024年に「Farozonen Förlag」から刊行された『Bergmans Banaliteter (Bergman’s Banalities)』などがあります。

ページ: 124
サイズ: 104 x 190 mm
フォーマット: ソフトカバー
刊行年: 2025
言語: 英語
出版: LL’Editions